自律神経系の中心、太陽神経叢。慢性疾患、精神疾患、あらゆる現代病にも関わるソーラープレクサスを知ってください

現代人にとって特に重要な「太陽神経叢(タイヨウシンケイソウ」。
身体の機能でとても重要であり、慢性疾患・生活習慣病、鬱・パニック障害などの精神疾患など含めた、あらゆる現代のトラブルを治すためにも重要であると欧米では広く知られてる太陽神経叢。ソ―ラープレクサスと呼ばれています。日本人にはあまり馴染みのない言葉かもしれません。経絡のツボなどでは、湧泉が太陽神経叢に繋がっていると言われているので、ツボ押しなどで聞いたことがある方もいるかもしれませんね。
しかし、この太陽神経叢が健康体を作るにも、現代病を治すにもとても重要であることを伝えているところは、ほとんどないのではないでしょうか。
源流のハタヨーガはずっとこの太陽神経叢にもアプローチをしてきていますが、現代の医療含め健康産業を見ても、私の知る限りどこもこの重要な太陽神経叢を正しく刺激するような方法を取り入れていません。

今回はこの太陽神経叢についてお伝えしていきます。
長くなりますが、現代社会を生きる全ての人にとても大切なことであり、世の中ではほとんど出回っていない内容かなと思います。….必要な方に届いたら幸いです。

[太陽神経叢とは]

太陽神経叢とは、みぞおちのあたり、横隔膜の下から広がっていって胃の裏側全体に広がっている神経の束のことを言います。自律神経系の中心です。太陽神経叢は、内臓(特に消化器系)のコントロールをしています。胃・腸・肝臓・胆嚢・脾臓・膵臓、そのあたりです。
この太陽神経叢を安定させる方法は唯一ただ一つ!『腹式呼吸』になります。要は、横隔膜の下に太陽神経叢というのは広がっています。横隔膜を十分に動かすことで太陽神経叢もしっかりと動き安定をしてくるのです。

[慢性疾患・精神疾患の原因は太陽神経叢が機能しないから]
ところが、現代人のほとんどが腹式呼吸をすることができません。現代人の多くは無意識に胸式呼吸で生きています。ということは横隔膜が全く動かず、その下に広がっている太陽神経叢も働くことができなくなります。

そうなるとどうなるでしょうか?太陽神経叢は自律神経の中心です。太陽神経叢が動かなくなれば自律神経が不安定になり、これに加えて腹式呼吸がろくできず過呼吸になればパニック障害や鬱を引き起こしたり、内臓でいえば消化器系のコントロールができなくなるため消化不良になって体内に取り入れたものを分解できず脂肪が蓄積したり、膵臓も機能しないためインスリンの分泌も疎かになります。そうすれば血糖値の上昇にもつながり糖尿病や脂質異常・動脈硬化に伴う脳卒中や心筋梗塞などを引き起こします。さらには小腸も機能しないため免疫機能の低下が進み、それらが原因でガン化するなどといった現代でよく聞く疾患に全て繋がっていくのです。太陽神経叢は自律神経系ですから、安定して働かなければ食欲過多や食欲不振なども引き起こし、肥満や拒食などにもなる可能性も持っています。
現代ではストレスや過労が溜まって自律神経が不安定になり食欲過多や不振になったり、人間関係や環境が原因で鬱やパニック障害、慢性疾患になると考えられていることが多いですが、そうではなく、それ以前に「腹式呼吸ができない」ことが前提にあって引き起こしている疾患たちなのです。
腹式呼吸ができず横隔膜が動かない、横隔膜が動かないから太陽神経叢が安定して機能せず自律神経が不安定になり、あらゆる疾患を生み出しています。

[欧米では広く知られている太陽神経叢、だけど扱い方を知らない]

冒頭にもお伝えしましたが、日本では太陽神経叢はほとんど馴染みのない言葉だと思います。聞いたことがあっても何をやっているかとか、さらにはどうしたらいいかはもっと知られていません。

欧米では太陽神経叢に対するセンスが非常に高く、横隔膜を強化することで太陽神経叢を安定させることができることまでは知られています。ところが残念なことに、横隔膜の強化方法が腹式呼吸という発想にならず、筋力トレーニングを推奨したり、慢性疾患や精神疾患に関しては薬の処方で対応しているのが現状です。実は骨格の作りが日本人やインド人とは違う欧米人にとって腹式呼吸を行うことはとても難しいことなのです。(向き不向きでいえば、欧米人の体型にとって腹式呼吸を要にしているハタヨーガが優しいことではないことも、ハタヨーガが全くの別物である現代ヨーガに代わってしまった背景としてここにつながります)西洋は、スポット的な治療やトレーニングという発想に行き着いてしまうので、ちっとも良くならないのです。そして残念ながら欧米の影響をモロに受けている現代の日本も同じ道を辿っているのではないでしょうか。

[呼吸法だけ行っても腹式呼吸は強化できない]

時々「呼吸法」の看板を掲げている教室や、呼吸が大事だと言っている現代ヨーガの教室もありますが、ハッキリ言います。多少呼吸力が上がった気分にはなるかもしれませんが本当の意味で呼吸力はつかず、太陽神経叢を安定させられるほどの腹式呼吸もできるようにはなりません。それがなぜかといえば、呼吸というのは肺と肺の周りの筋肉だけ動かして行っているのではなく、身体全体の運動なんです。これは呼吸に限ったことではなく、どんな動きであっても常に身体の動きというのは全体に関わっているのです。どんな小さな動きであっても、体はバランスを取るために体全体がある方向に重心を傾けてくるんです。どんな小さな動きも。そういうふうに体というのはできているのです。だから、呼吸だけやっていても呼吸力は上がらないのです。現代ヨーガは、アーサナという動きを呼吸と組み合わせて行なっていますが、ハッキリいって現代のヨーガの動きに大した効果はありません。

[腹式呼吸をできるようにするには、動き+呼吸法で土台を作る]

ではどうしたら十分に横隔膜を運動させるほどの腹式呼吸ができるようになるかというと、まずは腹式呼吸をすることができる体を作ることが大前提になります。体づくりが前提です。その体の作り方も筋トレや一般的なフットネス、ヨーガでは叶いません。源流のハタヨーガの全身を細かく隈なく動かす動きと呼吸法がこれにあたります。源流のハタヨーガを行って下さっている方ならご存知の通りですが、源流のハタヨーガのアーサナは「多様な動き+呼吸法」で常に全身を動かしながら腹式呼吸をできる体を作りつつ、腹式呼吸もトレーニングして同時進行しています(止息の意味の一つはコレです)

[骨格も同じ]

ちょっと話が逸れますが、骨格についても同じです。最近、骨格矯正トレーニングをすれば全てが解決!みたいな広告を見かけますが、骨格を治すにもそれだけで成立しているのではないのです。骨格を治すにはどうするか?っていう話なのです。それは恒常的な状態ですから、繰り返しストレッチをやればその時は治ったような感覚や見た目になるでしょう。けれどそれでどうなったって話じゃないんです。骨格にとって重要なのは全体なのです。一般的なストレッチも含めて現代で言う矯正と言うのは個別のところに入りすぎるんです。そこだけ伸ばしていて、動かしても、ある機能を発揮するときには限定的な要素が限定的に機能するかもしれませんが、骨格全体の話というのは違うのです。骨格全体の話になったときには筋肉もセットです。筋肉の矯正がされなければ骨格の矯正は不可能であり、逆も同じです。骨格の矯正がされなければ筋肉の矯正もできない。全てを全体で一緒にやっていくしかないのです。それも誰かの手を使うとか、アイテムを使うとか含めて外からの力では不可能です。「自分」で動かしていくしか治すための方法はありません。それ以外に方法はありません。だから源流のハタヨーガは骨格矯正とインナーマッスルの矯正、強化を同時に全身で行っているのです

[太陽神経叢の話に戻ります…現代人はお腹が動かない!]

そう言うわけで源流のハタヨーガは「多様な動き+呼吸法」で自然と動きの中で腹式呼吸の要素を増やし、次第に腹式呼吸を行うときのお腹を動かす動きを可能にしていきます。

現代人の多くが、まず腹式呼吸をするときのお腹の動きができません。膨らんだり凹ましたりする動きです。お腹が思うように動かない、動かせないのです。これができないから、色々やってもパニック障害を克服できない、鬱を再発する、慢性疾患・生活習慣病を治すことができないという状況が起きています。更年期にでるようなイライラや多汗症などの症状、自律神経に関わる症状は太陽神経叢のコントロール下ですから原因は同じです。

呼吸が浅いと言うのはかなり決定的なんです。

横隔膜が動かなければ太陽神経叢は何の刺激も与えられないのです。特に身体の内側に太陽神経叢は入ってしまっているので、筋力トレーニングや一般的なフットネスやストレッチ、現代のヨーガの動きや呼吸法なんかでは太陽神経叢を安定させることができるほど刺激することは絶対に不可能なのです。

それと、太陽神経叢は主に内臓の消化器系と言っても肝臓とかも絡むわけです。肝臓は消化のことだけやっているわけではなく、栄養の貯蔵や解毒分解作用も行っていますからこれらのコントロールも太陽神経叢が行っているため、太陽神経叢が不安定であればそれなりの病を引き起こします。膵臓も同じです。インスリンが出なくなって血糖値が上がったりすれば太ったり、血糖値スパイク的な症状が起きるのも、それをコントロールしている太陽神経叢が不安定だからです。よく血糖値を下げるのに食事療法とか運動(筋トレ、ウォーキング、軽いジョギング)とか言われますが、全て一時的な対処法でしかないのと、筋トレに関しては、むしろ血糖値を上げてしまう可能性が高いでしょう。筋トレは非常に身体のバランスを崩す行為なのです。よくレッスンの中でもお伝えしていますが、ウォーキングもジョギングも、ラジオ体操もほとんど意味がありません。かえって身体のバランスを崩します。動きが限定的なんです、どれも。だから骨格バランスも筋肉バランスも崩れてしまい、胸式呼吸しかできない状態になります。

基本は太陽神経叢が全てをコントロールしていますから、私たちができることは太陽神経叢を安定して機能させるために横隔膜の動きを強化すること、そのために腹式呼吸ができる身体づくりを身体にとって正しく行うことです。

[太陽神経叢は第二の脳]

太陽神経叢、特に欧米では「第二の脳」と呼ばれるほど重要視されています。よく脹脛は第二の心臓と言われますね。第二の脳は太陽神経叢です。実際本当に重要なのですが、私たちはエネルギーを取れ込まなければ生きていくことができないわけです。内臓の一番重要な仕事は消化であり、内臓はそれらを備蓄して出していくという生命の中心的な作業を私たちの無意識下で行っているので、その内臓をコントロールしている太陽神経叢が第二の脳と言われているのです。

腹式呼吸をとり入れていくと内臓は安定してきます。驚くほど安定していくのですが、欧米の発想は、太陽神経叢が不安定ならば薬を処方すると言うのが彼らの発想です。

[瞑想だけやっていても自律神経は乱れる]

ちなみに、欧米でも日本でも流行りのメディテーション(瞑想)ですが、ここでも呼吸法を絡めていたりすることもあるかもしれません。呼吸が大事とも言っているかもしれません。けれど座っているだけでは残念ながら太陽神経叢は全く刺激されないので自律神経も安定しません。むしろ自律神経は乱れるでしょう。非常にバランスが悪いんです。瞑想してもパニック障害も鬱も治りません。迷走するだけ。どう言うことかというと要は身体を動かさないと自律神経は安定しないと言うことです。一番最悪なことは、動かないと言うこと、動かさないと言うことなんです。太陽神経叢はほっといたら(動かなかったら)機能が低下して内臓のトラブル、精神的なトラブルを起こすだけなんです。

[身体を動かす、と言う意味]

本当に身体を健康にしたいと思うならば「身体を動かす」と言う意味をスポーツとか筋トレとかストレッチとかウォーキングといった現代の「動かす」と言う感覚から全て書き換える必要があります。

「動かす」=「腹式呼吸とセットで多様に動かす」と言うことが、本当の意味での体の動かし方です。本来人間が生きるためには腹式呼吸がセットなんです。長い人生を歩いていくとき、人間は胸式呼吸だけでは健康に歩いていくことができない、健康に長生きすることができません。当然腹式呼吸をベースに呼吸ができていないと、体は健康に動かし続けることができないのです。そういうふうに体というのはできているのに、現代人は胸式呼吸だけで生きていこうとするのです。それは、身体の中の機能的なものだけを追求するような社会ができてしまっているから。それでもなんとか生きていけるような仕組みに社会がしてしまっているのが現代だからです。

[なぜ太陽神経叢が発達したのか]

けれど昔は違いました。身体を使って何かをしなければならない時というのはたくさんあったわけです。そのような時は胸式呼吸では体が持たないのです。酸素が十分に供給できないのです。だから胸式だけでなく腹式も動かして昔は健康を維持して生きていました。

なぜ太陽神経叢と言うものが発達したかと言えば、食糧事情も大きいでしょう。

現代は、特に日本は無尽蔵に近いくらい食物は食べることができます。けれど、戦前や戦後すぐは食糧事情が不安定でした。いつでも安定して何でも食べられるわけではない。そういう時は食事の量が不規則になり、しっかり食べられないことも多いわけです。そんな時こそ自律神経がしっかりと機能しないとかえって上手く消化できないのです。自律神経がしっかりしていると、そういった状況の変化があった時にも対応できるんです。精神的にも不安定になっている場合ではないですから。このような背景があって、腹式呼吸とセットで太陽神経叢は発達しました。今の時代にみたいに大量の食糧が食べられると言う時代は非常に稀で、この50年くらいと言うのは人類の歴史の中でも食べ物ひとつとっただけでも全く違うフェーズに入ってきています。そう言う時代なんだと言うことです。だから昔ではあり得ない胸式呼吸だけで生きていけてしまうし、パニック障害とか鬱とかにも出会っちゃう。それもこれも全部、社会と我々人間の関係の中だけで出来上がってしまっているのです。どんどん正しく動かさなくなるから、この結果が現代で一番多い病気「慢性疾患」にもなっているのです。私たち人体のつくりは変わっていません。人体の基本のつくりは遥か昔から変わっていないと言うこと。ちょっと手足が長くなったりしているかもしれませんが、内臓が基本2つになったとかないはずです。そこを理解した上で、現代社会を上手く生きていかなければ、社会に流されて生きていくことになります。自分の頭で考えて情報を正しく選択しなければ、長生きできるかもしれませんが、不健康で色々悩みを抱えて生きていく確率は非常に高く、思うような自由な人生は難しい世の中でしょう。

[慢性疾患]

慢性疾患は免疫力を含めて、あらゆる機能が時間をかけて落ちていきます。
昔は癌含め慢性疾患や精神疾患なんて、ほとんどなかったはずです(もしかすると多少はあったのかもしれませんが)どちらかといえばコレラとかの病原菌で亡くなる人が多く、癌や慢性疾患、精神疾患で苦しむ人は少なかったのではないでしょうか。けれど今は癌を含めて慢性疾患がメインです。特に現代の癌は免疫機能の低下が原因とも言われています。免疫は血流を作る、リンパを流す、そこがまず第一の仕事ですが、免疫を司どっているのは小腸です。小腸のコントロールも太陽神経叢ですから太陽神経叢が安定しなければ免疫も安定しないのです。そうすれば癌の発症リスクも上がるわけです。若い方にも癌が多いのは現代社会が生み出した結果の一つだと思います。

臓器には刺激が必要です。だから源流のハタヨーガは身体をひたすらに動かし続けるのです。動かさなくなったらおしまいです。そして腹式呼吸です。源流のハタヨーガは誰でも、素人でもできるように止息と言う一癖が全ての動きにあるのです。筋トレやフットネス、現代の流行の治療で感じられる見た目や数字だけ一時的によくなったような錯覚をすぐに感じることはできませんが、年単位を覚悟して源流のハタヨーガを続けてもらえれば、慢性疾患や精神疾患も錯覚ではなくほとんどの場合根本的に治すことができるのです。

私たちの体は意識だけでできていません。自分で反応できるもの、できないもの、それが相対です。生命にとって、どちらも十分にバランスよく動かしていくことが健康体を作るにも、今ある病を改善するにも必要であり、それらを叶えることができる方法を源流のハタヨーガは知っています。

 

今回は太陽神経叢のお話からだいぶ広がり、色々とお伝えしましたが、最後はみんな平等に死を迎えます。極論、どうせいつかは死んじゃうからどんな生き方をしても、どんな選択をしてもいいと私は思ってます。自分で考えて納得した上で大きな社会の流れに流されるのもアリだし、色々疾患がありながらも稀にトラブルが表に出ないでいけちゃうケースもあるからです。

ただ、現代社会や医療とは全く違う視点から人体、生命と向きあい、健康な体を作るメソッドを持っている源流のハタヨーガと言う文化がここにあり、それが人体の道理に沿っていて非常に強力であると言うことを皆様とハタヨーガを共有することで私はお伝えしているだけなのです。

最後までお読みいただきありがとうございました。