個別ではなく全体を。身体の特定部位に特化したヨガは成立しない

 

立春を迎え、いよいよ春へ。

 

自然界はいつも絶妙なバランスを保ちながら成り立っています。

私たち人間の肉体も同様。

 

全身の細かい筋肉たちが絶妙なバランスをとることで
立つこと、足を動かすこと、腕を動かすこと、呼吸すること、排泄すること等ができています。

 

ヨーガに対して
「〇〇を柔らかくするためのヨガ」や「〇〇を良くするためのヨガ」を望まれることが多くありますが
特定の身体の部位だけが良くなるような、身体が柔らかくなるようなヨーガは残念ながら本来ありません。

伝統的なハタヨーガが如何なる状態でも、その人なりに多様に数多くアーサナ(ポーズ)をこなす理由の一つがここにあります。
バランスを戻すことでしか不調を、癖を、改善できない・健康を手に入れることができないことを知っています。

例え特定の部位に特化したヨガを熱心に行い、望む部位に結果が現れたとしても、他の部分のバランスが崩れていきます。

 

私たちは機械ではありません。
特定の部位だけを取り上げて何かをできるほど単純ではない肉体と、自然と共に生きています。

人間は動物、自然界の中でしか成立しません。

 

自分の中にある微細なる身体とコンタクトしながら活性化し、絶妙なバランスをとっていくものがハタ・ヨーガ。

非常に精密にできた身体を緻密に知り尽くした健康のためのツール、それが伝統的なハタヨーガです。

 

春です、新しい季節。

ヨーガは毎日行う必要はありませんが、一生続けるもの。

自分の中にペースをつくり、体に大きな波をつくることが鍵。

素敵な春の始まりでありますように。