緑内障とヨーガ、源流のハタヨーガは緑内障にも必要

現代では一般的に、緑内障に対してヨーガの逆立ちのような動きが眼圧を上げてしまう恐れがあるとされていたり、禁忌事項にされていることがあります。
源流のハタヨーガは、心臓よりも頭を下へさげる動作が多いことに加えて、クンバカという息を止める呼吸法を動きの中に入れていきます。そのため、レッスンにご参加くださる方からも、時折「ヨーガの動作が緑内障の進行を早めるのではないか?」といったご質問や心配の声もいただきます。
結論から言えば、源流のハタヨーガをやらない方が緑内障の進行を早めます。

今回は緑内障をテーマにあげつつ、人体の仕組みについてもお伝えしたいと思います。

【圧力は一箇所に集中してかかるわけではない】
緑内障で多くの方が心配をしている「眼圧」。まず圧力というのは、どこか一箇所に集中してかかるわけではありません。ヨーガの逆立ちのような動作をしても圧力は全体にかかっています。薬と同じです。薬ってどこか痛いから飲むわけですが、飲んでその患部にだけに成分が効いているわけではないですよね。薬を飲むと成分は身体全体に回っている、だから患部の痛みも取れているだけの話で、身体と構造がどっかに何かが集中して、その何かがなされるというものではないのです。それが本来の身体というものであって、現代で言われていることと発想が全く違うのです。
ですから、古来源流のハタヨーガの動作や呼吸法で眼圧が上がったり、緑内障の進行を早めることはありません。

【緑内障でも他のトラブルでも動かし続けるほか、治す方法はない】
緑内障であれ、その他の病気やトラブルであれ、改善するにあたり、大前提として、頭の天辺から足先までの全身の血流を作らなければ話になりません。血流を作るためには「全身を動かす」以外になく、動かさなければ症状は悪化するだけです。緑内障であれば眼圧は上がる一方ということです。
私たち人間、は歳を取ろうが病気だろうが動かす以外に選択肢はありません。それが身体を正常化させる唯一の手段なのです。もし眼圧問題で心配があるのなら、逆立ちのような頭をさげる動作をしたら少し休むなどして調整をしてください。「やらない」という選択肢はなく、頭を下げる動作も必要ですから、自分の身体の声を聴きながら行います。体感として大丈夫だと思うなら動かし続ける、それは自分で感じて自分で決めましょう。世間の情報やお医者さんの情報は一般化されたものです。身体というのは全部個人個人で違います。緑内障だからと言って、眼圧のことばかり考えていてもダメなのです。脳の問題もあるでしょう。眼圧が高いということは首から下の血圧や血流も関わってきます。
要するに身体を良くするには、全身全てに栄養を送らなければならないのです。栄養を送るためには酸素と血流が必要であり、安定した血流で酸素がしっかりと全身に送れて、それで栄養が送れて、そして燃焼させてという話でしかなく、そこからエネルギーを作っていって、細胞を作るとかなんとかが可能になり、身体を治していく材料ができるのです。
私たちは全身に血の通った生身の人間です。人間機械論的な発想では身体は良くなりません。
身体は常に「全体」で見ていくことが重要です。

【身体の治し方はリバウンドが基本】
緑内障に限らず、あらゆる身体のトラブルや病気の治し方の基本は「一気に治さない」ことです。「一気に治さないないし、一気に悪くもならない」これが身体本来あり方です。
ここはとても大事なところなのですが、身体というのは一気にどかっと悪くなったり一気にどかっと良くなるものではありません。いったりきたりしながら悪くなったり、いったりきたりしながら良くなります。
この身体の仕組みを基にしながら、身体が良くなる方向へつくるのが源流のハタヨーガです。
身体本来の治り方の仕組みを知らないと、源流のハタヨーガを行うにしても一喜一憂してしまい、リバウンドが起きた時に「あんなに良かったのに駄目になった…」と継続していることやめてしまったり、心が不安定にに傾きやすくなることもあります。
でも実は、身体はリバウンドが基本ですから総合的に見ると「あんなに良かった!」に到達しているのです。そっちが大事なのに「駄目になった…」の方へ目を向けてしまうのが現代人の多くが行なっていることではないでしょうか。「あんなに良くなった!」に身体は到達しているのですから、また同じように続けていけばまた「あんなに良くなった!」に到達するのです。その繰り返しで身体は「治って」いきます。

 

今回は緑内障をテーマにしながら身体の仕組みについてもお伝えしましたが、緑内障に限らずどんなトラブルも疾患も発想は同じです。
源流のハタヨーガを始めて頂くと、世間の情報や常識に自分がいかに流されていたかということも身体を通して知ることができ、日々気づきと発見が多く非常に面白いです。私たちは、常識や世の中の情報を信じすぎるあまり、自分で自分の枠を狭めています。人体というのは、私たちが思っている以上に微細なつながりで成り立ち、精妙で至極合理的に作られていますから、人智を超えた多くの可能性を持っています。身体本来の仕組みを知って、正しくアプローチをすれば、起こる出来事に心も揺れなくなります。


常識を疑い、自分の頭で考え、自分の身体にとってベストな方法を取り入れていきましょう。