深い呼吸で健康な美しい身体を目指す、腹式呼吸

 

朝や晩の空気がピリッと冷たく、ようやく冬らしい気温に変わってきました。

冬の空気は、とても澄んだ美しい空気。

深い呼吸を通して、身体いっぱいで透明な空気を味わうと心までクリアな気持ちになるような気がします。

 

今回は深い呼吸でもある「腹式呼吸」について書いていきます。

 

ヨーガのレッスンでも皆さまに行っていただいている鼻での呼吸、腹式呼吸。

実は深い呼吸である腹式呼吸だけを取ることは、簡単なことではありません。

 

通常私たちは、胸式呼吸・腹式呼吸・鎖骨式呼吸を状況に合わせて複合的に行っています。

私たちの身体は日常の中で無意識に、これら全ての呼吸を身体の状態に合わせて比率を変えながら使用しています。

この3つの呼吸の中で最も重要な呼吸が「腹式呼吸」です。

 

腹式呼吸とは、腹直筋を前後に動かし横隔膜を上下に動かす呼吸。

横隔膜を上下に大きく動かすため、肺を広く深く使うことができ安定をした強い呼吸が可能となります。

そのため、肺を強化する唯一の方法は腹式呼吸とも言われています。

ヨーガの中で腹式呼吸を取りながら動いていただく目的は、腹式呼吸の強化のためでもあります。

 

加えて、腹式呼吸は横隔膜を上下に動かすことで横隔膜を下から押し上げます。

これにより、一度の呼吸でより多くの二酸化炭素を体外に排出できるようになります。

人間は呼吸によって酸素を取り入れ二酸化炭素として体外に出していきます。

体内で酸素が使われエネルギーが生まれた後には二酸化炭素ができますが、二酸化炭素は体内にあると有害なため、呼吸で吐き出し、しっかりと出し切ることが重要になります。

また、腹式呼吸はこれだけではなく腹直筋の前後運動でも身体に良い効果をもたらしてくれます。

腹直筋の前後運動が小腸に対してマッサージの効果を生み、免疫力を司っていると言われる小腸を活性化し免疫力を上げてくれるとも言われています。

 

腹式呼吸をマスターすることは、身体にとって良いことばかり。

ただ、先にもお伝えしたように深い呼吸である腹式呼吸だけを取ることは容易なことではありません。

ハタ・ヨーガでは、腹式呼吸を強化するためにも「吸う・止める・吐く」の止息(クンバカ)を組み込んだ呼吸に合わせてアーサナ(ポーズ)により様々な方向へ身体を動かしてまいります。

 

ぜひハタ・ヨーガで腹式呼吸をマスターし、身体中で美味しい空気を味わえる肉体を手に入れましょう!